全体的な内容としては、音楽が好きな人なら考えたことのあるものだろう。それらをわかりやすくまとめて、議論の土台を作ったというのが本書の功績ということになる。
DJ論は面白かったが、あまり説得力はなかった。もう少し突っ込んだ記述が見てみたい。
サンプリングと音楽著作権におけるレイヤーの問題も興味深い。サンプリング技術は、新たな「音楽」像を生み出したが、新たな層における音楽はもはや既存の「著作権」概念では対処できないということである。位相が異なるというのはよく言われることだとは思うが。
体裁に関していえば、入門書というべきか。脚注の説明も、簡便すぎて役に立たない。研究書にありがちな思想家への言及もとってつけたような印象が拭えず、いうならば「新書」的な書き方だといえる。最終章の面白さは、本書というよりは、むしろジャック・アタリの思想によるものだろう。










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