青土社のシリーズ現代思想ガイドブックから。バトラーの概説書としては初だ。
ヘーゲルの弁証法を重視しながらもあくまでもそのプロセスに着目し、帰結主義的なアプローチも基礎付け主義(?)的なアプローチもともに避ける言い回しは、慣れないと読みにくいものだといえる。
ジェンダーをあくまでも社会的構築物とみる構造主義の土壌は残しつつも、それをセックス概念にも敷衍し、さらには主体性の読みかえにまで適用するバトラーの理論は含蓄に富んだものとなっている。
異性愛はその存在のために同性愛を禁止するが、それはすなわち同性愛を内在的に希求していることなのだという主張は、二分論の一方はその存在のために他方を要求する、差異は客観的なものではありえない、と主張した(ような気がする)デリダの考え方と連続するように思われる。
主体は行為に先行するという私達の当然の前提を逆転させるパフォーマティヴィティ(行為遂行性)という概念(単純化してしまえば、ア・プリオリにあるのは行為であるという考え方)は、責任を追及するために帰属主体を定位してきた従来の法のありかたを揺るがせ、別の方策の可能性と必要性を強く迫るものであるといえるだろう。










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